2015年5月2日~5月25日 博多座・雪組公演
九州出身のトップコンビが初の博多座公演。
芝居は柴田侑宏の名作再演シリーズと、ショーは今年の1月に大劇場で公演されたものを望海風斗が抜けたり、夢乃聖夏が退団したりで少し改訂しての上演。
5月20日11時公演、1階F列(通路側)で観劇。
通路を挟んだ補助席に生徒さんらしき人が座ってたけど、誰だか分かりませんでした。
※ネタバレ注意。
1976年、汀夏子主演により雪組で初演され、2007年に同じく雪組の水夏希主演で再演された日本物の名作の再演。新選組にまつわる数々の物語の中でも、沖田総司を中心としたエピソードとして、虚実織り交ぜながら、その短くも激動の青春を、爽やかにそして哀しく謳いあげる。
ポスターの早霧せいなは薄幸の美少年剣士らしく写ってるけど、咲妃みゆのこの化粧はなんだこれ?! 月組バウの「月雲の皇子」の時もそうやったけど、日本物の化粧が上手くなりませんね。
2007年版を中日・全ツと見たので、ストーリーは分かっているので安心。昔の柴田作品は台詞が綺麗で、役の書き込みが非常に丁寧。そして飽きさせない物語展開。1970年代の一番乗っている時の作品だなぁと感じますね。もう新作はこの前の「黒豹の如く」みたいにダメだけど。
主演沖田総司を早霧せいな。
宙組時代の「維新回天・竜馬伝!」でも沖田をやってました。新公では坂本竜馬、その役も「JIN」でもしてたし、なにかと幕末に縁があるのですかね? ビジュアル系剣士そのもので、カッコよかった!やっぱ歌は不安定だし、台詞は粘っこいけど、このビジュアルに私はイカレました(笑) 歌も唄い出しがいつも危なっかしくて、段々とノッテくるとそうでもないのですが・・・。無邪気で、優しくて、でもその鋭い目つき、というキャラが早霧とピッタリでした。余命を宣告されてからの、残された時間を精一杯生きていく様には涙が出ました。
祇園の芸妓、玉勇を咲妃みゆ。
白羽ゆりのはんなりとした落ち着いた雰囲気と色気が印象的すぎて、咲妃は声色的にもかなり幼く見えました。芝居・歌は流石ですが、やっぱ化粧があきまへんな。京都弁はイントネーションも違和感なく上手かったです。
土方歳三は専科の華形ひかる。
専科入りしてから、全ツ・中日・博多と旅回り専科やがな。歌が全くなく、芝居オンリーなのでその分ちょっと得したかな。ハスキーな声質が貫録を出し、ひ弱なアシュレとエライ違いです。新撰組の副長らしく、ドンと構えているのが良かったですね。
山崎丞を蓮城まこと。
新撰組の監察部で、これも前回未来優希が粋なところを見せてくれたので、今回の蓮城クンはどうやるのか?と期待してましたが、それを裏切らずに粋でちょっとオチャメな部分も出しながら演じたのは見事。
新撰組総長の山南敬助を彩凪翔。
こういうちょっと影のある役は上手いですね。最後の切腹に至るまでの潔さに泣けました。
彩風咲奈は桂小五郎。
これといって為所のない役なんだけど、沖田とのただの敵同士ではない関係を感じられました。
新撰組局長の近藤勇を奏乃はると。
いや~上手い!オッサンそのもの(笑) 近藤と土方がどっしり構えていることで、沖田が際立ちますからね。
女中のおみよを星乃あんり。
沖田に惚れる女中なんですが、その想いは叶いません。ですが健気に沖田に尽くす姿が意地らしいです。
このように流石、芝居の雪組、日本物の雪組だけあって、かなりレベルの高い作品になっていました。ただ前述したように咲妃もそうですが、下級生の娘役は日本物の化粧をもっと勉強してほしいですね。
●ファンタスティック・ショー「ファンシー・ガイ!」 作・演出/三木章雄
大劇場公演で久々にマシな作品だったので、コレも安心して見ていられます。博多座版は少し変更があるらしいので、そこらへんも楽しみに見ました。
◆第1章 プロローグ~Fancy Zone~
ほぼ大劇場と変わりないですが、望海・夢乃が抜けた分、鳳翔大・蓮城まこと・煌羽レオが目立っていました。
◆第2章 チネチッタ~ローマ~
場面の最初に大劇場では出てなかった早霧せいなが出て来て、カメラマン役の天月翼と博多弁コント(笑)
あとはドラマシティ組の月城かなと永久輝せあが抜けたぐらいで変わりないですが、エルビスたちが客席に降りてくるのでテンション上がります。通路側だったのですぐそばを蓮城まことと彩風咲奈が!
◆第3章 キャバレー~ベルリン~
ここは場面のコンセプトが少し変わり、将校だった早霧はタンゴダンサーになり、彩風が女役で絡んでいたのもなくなり、咲妃に変更。冒頭の望海が唄っていた「「マック・ザ・ナイフ」と「イリュージョン」がなくなり、華形ひかると煌羽レオがスーツで「タンゲーラ」を踊ります。
そして早霧せいなと咲妃みゆが登場し「カミニート」「A media luz」「El Choclo」「La Cumparsita」のメドレー。あれ?この構成はなんか知ってるなぁ・・・と思ったら「美麗猫」のフィナーレでしたわ。
ラストの「チェ・タンゴ」は変わらずで、構成的にはこっちのほうが好きですわ。 早霧のダンスはキレがいいですね。
◆第4章 メスキータ~マドリッド~
「ザッツ・ライフ」が「エル・クンバンチェロ」になりラテンの中詰で盛り上がります。早霧以下全員が客席降り
てくるので、ここも変更後の方がいいです。真横で奏乃はると、早花まこが踊って、もちろん早霧せいなも横を通りました(^^♪ やっぱラテンは盛り上がるわ。
◆第5章 オペラ座~ウィーン~
若干の配役変更以外は変わりなし。
◆第6章 フィナーレ~パリ~
ロケットに早花まこ、沙月愛奈が出ててビックリ。やっぱ星乃あんり、星南のぞみが目立ちますね。
大階段の黒燕尾は大劇場の時にも思いましたが、もう少しフォーメーションを見せて欲しかったです。なんの飾りもないシンプルな黒燕尾で踊る早霧せいながめちゃカッコよかった。
パレードのエトワールは華形ひかる。
ショーは変更点が良くなっており、大劇場の時よりも楽しめる作品になっていました。望海風斗がいないものの、専科から華形ひかるも出てるし、何より鳳翔大、蓮城まこと、彩凪翔、彩風咲奈らがいたので、男役の層が厚くてお芝居、ショー共に40人という少人数の公演だと感じさせないものになっていました。
仕事が連休を取れなかったので、新幹線で博多日帰りという忙しい観劇でしたが、見に行って良かったと思える公演でした。